2008年6月18日水曜日

ドブレ・カミセータ

訳すと、"ダブル・ユニフォーム"です。
アルゼンチンでは(おそらく他の国でも)、「国内に応援しているクラブが2つある」という人がけっこういます。
"ドブレ・カミセータ"は、そういう人のことを指す言葉です。

といっっても、「アベジャネーダの出身だから、インデペンディエンテとラシンが好きだ」という人には会ったことがありませんし、聞いたこともありません。
普通は2部以下を主戦場にしている地元のクラブ+国内ビッグクラブという組み合わせで、国内ビッグクラブ+海外ビッグクラブの場合はこれに当たらないというのが基本的な定義です。

例えば、ブエノス・アイレス北部のクラブであるティーグレのインチャスには、近郊のリーベルのファンでもある人がたくさんいると言われています。
ともに1部で戦っている現在は直接対決もありますが、どちらに肩入れするかはその人の自由。
対戦の際には心が葛藤する人も多いことでしょう。

私の友人・知人、出会った人等の中にもこれだけいます。

オール・ボーイスとインデペンディエンテ
アミーゴです。
「2チームが対戦することになったらどちらを応援するか?」の問いには、「俺はアル・ボーイスのゴール裏に行く」と断言しました。
彼はいつも"ALL"を"アル"と読みます。

アルマグロとリーベル
同じくアミーゴです。
「最終節でアルマグロとリーベルが対戦。アルマグロが勝てば1部残留で、リーベルが勝てば優勝、引き分け以下ではどちらも目的を達成できないという時、君はどちらを応援?」と聞いたところ、「そんな難しい質問するなよ!」と返されました(笑)

リーベルとアトランタ
同じくアミーゴ。
彼の場合はリーベル優先です。
一度アトランタの試合に連れて行かれたことがありますが、カンチャにはラシンのユニを着た人もいました。

ヒムナシア(フフイ)とリーベル
大家の家に出入りしている何でも屋さんのフフイ人。
直接対決では地元チームの側に立つそうです。
AWAYの試合でヒムナシアがブエノスに来た際にも、欠かさず応援に行っています。

ビジャ・ミトレとリーベル vs オリンポとボカ
この間のAWAYオリンポ戦の際に立ち寄ったサルドゥンガライの人たちです。
面白いことに、このようにはっきり分かれていました。
サンプル数が5人なので偶然かな。
逆の組み合わせもあると思います。

エストゥディアンテス(ブエノス・アイレス)もしくは(カセーロス)とボカ
サン・ロレンソのHOME試合に一緒に行っている友人の娘婿。
カセーロス出身・在住で地元のピンチャのソシオです。
そちらがメインですが、1部ではボカを応援しています。
「ラ・プラタのエストゥディアンテスは?」
「関係ない!」とのこと。

ボカとチャカリータ
たまたま乗ったタクシーの運転手です。
この2クラブのインチャスはかつて友好関係にあったらしいですが、今となっては犬猿の仲ですね。
チャカもそこそこ大きなクラブ。
この辺が"ドブレ・カミセータ"の限界か?

ロス・アンデスとボカ
面識はありませんが、聞いた話によるとロス・アンデスのバーラのリーダーは、ラ・ドーセのメンバーだ(った)そうです。

といったように、大半はボカ or リーベル+地元のクラブです。
サン・ロレンソでは、コレヒアーレスのエンブレムのタトゥーを入れている人をカンチャで見たことがある以外、これといって知りません。

結局のところ、「サン・ロレンソだけ」、「ボカだけ」、「リーベルだけ」という人に限れば、各クラブのインチャスの数はそんなに変わらないんじゃないか?
そんな気もします。