2008年6月14日土曜日

ラモンが襲ってくる!

ラモン・ディアスはニワトリからカラスになりました。
一昨日の敵は昨日まで友だったのです。
そして今度はカラスからワシになります。
昨日の友は今日の敵、になるわけではないですが、少なくとも彼はもう味方ではないのです。

監督も早々と決まり、しっかりとした体制で新シーズンの船出をしたいシクロン。
しかし、"ラス・アギラス"ことアメリカ(MEX)の監督就任がほぼ確定しているラモンが、予想通り"ロス・クエルボス"の選手たちに触手を伸ばしてきました。


彼が欲しがっているのは、シルベーラ、リベーロ、ダレッサンドロそしてベルヘッシオの4選手です。

①シルベーラ
クキは2003年から2006年までティグレスに所属し、アステカのサッカーを経験済みです。
昨年末には、ティグレスから再獲得のオファーがありましたが、サン・ロレンソはそれを一蹴しました。
シルベーラはこれに怒り、クラブ首脳とひと悶着起こした結果、「08後期終了後の移籍容認」を取り付けたと言われています。
ラモンは契約解除の文書にサインした際、ラファエル・サビーノに彼を獲得する意思を伝達。
会長は、「考慮する」と回答したそうです。

②リベーロ
ブリートも2004年、2005年にパチューカ、クルス・アスルでプレイしたメキシコ経験者です。
彼は、ラモンと選手たちの確執が表面化した際、「不要な選手リスト」に名を連ねていましたが、情報に誤りがあったのか、前監督の契約解除時にクキとともに名前が挙がっています。

③ダレッサンドロ
カベソンはペラードを義理の父と慕っており、「彼がいるところならどこででもプレイする」と言うほどです。
ボエードとは年内契約が残っていますが、ラモンから正式な要請があれば、自ら移籍に向けて動き出すかもしれません。

④ベルヘッシオ
ラバンディーナは今誰もが狙う男です。
彼のパスの50%は、6人いる投資家グループの1人グスターボ・ラヌーチが持っています。(残りの半分はおそらくベンフィカのまま)
ダレッサンドロとボティネーリの50%もラヌーチ所有です。
この投資家は古くからラモンの友人で、ベルヘッシオのアメリカ移籍に前向きな発言をしています。
しかし、マルセーロ・ティネーリ率いる投資家グループは、投資目的で参加しているものの、大半はサン・ロレンソのインチャスです。
そのため、年内はチームに残す方向で落ち着くのではないかという楽観的な見方もあります。

キーになるのは、投資家"グループ"がどこまで一枚岩なのかということです。
実際に上記3選手の50%はラヌーチの個人所有のようであり、ティネーリ等と分けて、個人投資家のように記載しているメディアもあります。
抜かれたら一番痛い選手。
予断を許しません。

またベルヘッシオには、イタリアの2クラブ、スペインのクラブ(アトレティコ・マドリー?)、イングランドのクラブが興味を持っていると言われ、1千万ユーロを超える値が付けられているという噂もあります。
彼の代理人フリオ・ティンシシンは、現在ヨーロッパに滞在中。
こうなると、アメリカどころではないです。
噂通りの金額ならラヌーチも待てず、サビーノもお手上げなのではないでしょうか。

そして、シルベーラには昨日書いたインデペンディエンテの他にトルーカ(MEX)が、アセベードにはパルメイラス(BRA)が関心を示しています。

それから、エミリアーノ&マイケル・ディアスの移籍先について。
ラモンはやはり2人の息子をアメリカに連れて行きたかったようです。
このテーマのために交渉が長引いた感さえありますが、クラブからの回答はNOで、ペラードは断念しています。

とはいえ話はそこで終わりません。
このクラブには奥の手があり、同じメキシコリーグで、今年のスダメリカーナにも出場するサン・ルイスに放り込むことで結論が出たとみられています。

メキシコのクラブ事情はよく分かりませんが、個人所有や企業所有が可能らしく、アメリカとサン・ルイスはオーナーが同じなのだそうです。
個人その他で所有できるまではいいとして、同一リーグで1人(企業)のオーナーが複数のクラブを持てるというのはどうなんでしょう?

ルーソは就任会見で「全選手残留希望」と言いましたが、当然不要な選手もいて、残って欲しいが取られてしまう選手がいることも心得ているはずです。
現実的には、「今のチームのベースを崩さないこと」が求められます。
私たちインチャスは、サビーノの手腕に期待するしかありません。