この夏、サン・ロレンソは3選手しか補強しなかったものの、そのすべてが当たりでした。
ベルヘッシオの大活躍はご覧の通り。
ダレッサンドロは期待値が高い分まだまだ求められることが多いですが、すでにチームに不可欠な存在。
プラセンテも当初の「もう終わった選手」という状況を脱し、ようやく実力を見せ始めています。
加えて、能力が疑問視されていたアギーレ、アセベード、メンセゲースなどが急成長、あるいは才能が開花。
選手だけ見れば2チーム分の"戦力"を有しているクラブは他にもあります。
しかしシクロンはさらにその上を行き、2チーム分の"チーム"を有するに至りました。
コパにはAチームの11人でリーグには甲チームの11人と、完全に分かれているわけではありません。
AもBも甲も乙もなく、誰が出て誰と組んでも、高いレベルでチームとして機能します。
とはいえ、ここへきて複数のケガ人(赤太字)が出てきてしまいました。
①:オリオーン、シャンパーニュ
④:ゴンサーレス、トゥーラ
②:メンデス、ビアンチ・アルセ
⑥:アギーレ、ボティネーリ
③:プラセンテ、ボボリール
⑧:リベーロ、ヒルシーグ
⑤:J.M.トーレス、アセベード、アルバラード
⑪:A.トーレス、ビーロス
⑩:ダレッサンドロ
⑦:ベルヘッシオ、メンセゲース
⑨:シルベーラ、ロメーオ
大半の選手は遜色なく複数のポジションをこなせます。
2チーム分の"チーム"を有していますので、コパかリーグのいずれか1つを狙いにいくなら乗り切れるでしょう。
しかし、両方取りにいくとなると容易ではありません。
終盤に入ったこの時期には疲労の蓄積・警告の累積が当然あります。
前の試合で退場して次の試合は出場停止となる選手も抱えています。
ケガ人が出ては尚更です。
サン・ロレンソは、リベルタの準決勝以降4試合のためだけに2つのポジションで選手を探し始めました。
メンデスが戦線離脱した2番と、アウレリアーノ、ビーロスの2人が負傷中の11番です。
2番でまず名前が挙がっているのは、デポルティーボ・ラ・コルーニャのファブリシオ・コロチーニ。
コロチーニは2001年クラウスーラの優勝メンバーです。
日曜日から休暇に入る予定の彼はこの話に興味を示していますが、「たぶん、デポルティーボは行かせてくれないだろう」と言っています。
また彼の代理人も、「ファブリシオは本当に出場したいと思っています。彼はサン・ロレンソの熱狂的ファンでもあるので。実現すれば素晴らしいことですが、しかし難しい」と悲観的です。
次にセロ・ポルテーニョのネルソン・カブレーラ。
身長192cmで空中戦に強いとされるパラグアイ人の彼とは、夏の補強でも実現寸前まで話が進んでいたそうです。
まだ25歳で、ラモンは来期以降のことも考えて獲得を望んでいます。
こちらの方はまだ可能性があると。
そして11番ではお馴染みの2選手が挙がっています。
オスマール"マレーボ"フェレイラ。
言うまでもなく、2007年クラウスーラの優勝メンバーです。
CSKAモスクワ所属でサン・ロレンソにレンタルされていましたが、昨年末に期間を全うしモスクワに戻りました。
そして直後にウクライナのFCドニプロに売却されています。
彼だったら今のチームに突然入っても問題ないでしょう。
もう1人は現セントラルの"キリ"ゴンサーレス。
こちらはカナージャが残留争いの真最中ですので、可能性はほとんどないと言われています。
準々決勝で敗退すれば関係ない話です。
また、今になって新しい選手を獲得した場合、「チームの"和"を崩すことになるのでは?」という声もあります。
"戦力"を獲得しただけで、チームとして機能しなければ意味がないですからね。